『地政学入門』|初心者でも各地域の地政学が分かる【読書録】

読書

本のスペック

タイトル国際情勢の「なぜ」に答える! 地政学入門
監修村山 秀太郎
出版社洋泉社
発売日2016/7/23
ページ数199 ページ

本の概要

アメリカ・ロシア・ヨーロッパ・中東・アジア・日本の各地域で、過去に起きた出来事と現在の各国がどのような状況なのかについて、地政学的な観点で解説された本。
地政学に基づいた各国の今後の動きの予想についても簡単に書かれている。ただし、2016年に出版された本なので事例として紹介される情報が少し古め。
※地政学とは、政治的な現象とそれが生じた地理的条件との関係を研究する学問。

読んだ感想

貿易協定や地名が多く出てくるので分からなければ調べる必要はあるが、内容は「入門」というだけあって理解しやすい。ニュースで報じられる中東の紛争やウクライナ情勢といった問題がなぜ起こっているのかのイメージが湧くようになった。
入門レベルの内容なので初心者にはおすすめだが、地政学をかじったことがある人は物足りないかもしれない。

読んで頭に残ったこと

※個人的な解釈です。間違っている可能性有。参考程度に。

  • アメリカは石油・天然ガスが欲しくて中東に度々介入している。イラク戦争もそれ絡みの思惑がありそう。
  • ロシアは不凍港(一年中使える港)を欲しがっている。北極の氷が解けて北極海航路が開拓されたらロシアは嬉しいが、開拓される見通しは立っていない。
    ウクライナはロシアとヨーロッパ諸国の間に位置している。ウクライナ政権がアメリカ寄りになり、アメリカやヨーロッパ諸国がロシアの力を削ぐための足がかりにウクライナを利用できるようになるのを嫌ったロシアが、どちゃくそ抵抗している。
  • ヨーロッパは移民の対応に苦慮している。紛争が続く中東からも来るし、アフリカ大陸北部からも来る。移民に対する差別も激しい。
  • ヨーロッパと中東の間は地理的な障害がないため、移民が来やすいし、戦争になった時に攻められやすい。
  • 中東は第一次世界大戦のときにイギリスが三枚舌外交で引っ掻き回したため、民族間の争いが今でも混沌としてる。
  • 中東は石油・天然ガスがめちゃ取れるので、その利権争いも加わってさらに混沌としている。
  • さらにアメリカやロシアなどの大国が石油・天然ガスを狙って度々介入するので、カオスの極みになってる。
  • 中国は海に出たがっている。南シナ海の大部分が中国のものだと言って、インドネシア近くに人工島を作ったりとパワープレイをして圧をかけてる。
  • 台湾を国と認めないのは、中国が「台湾を国と認めたら国交断絶するぞ」とオラついてるのが理由の一つ。経済成長率2位の中国と国交が結べないと損失が大きいため。
  • 中国がウイグル自治区とかに強く当たるのは、もし独立とかされて「中国の国力が弱くなった」と思われたくないから。中国は多民族国家なので、独立を許すと他の民族の独立宣言ラッシュが起きかねない。
  • 日本は米軍の駐留が無いと中国のパワープレイによって侵略される可能性が大きい。竹島みたいにのりこんで「俺らの領土だ!」って言って実効支配するパターンはよく起こっている。
  • 北方領土返還は厳しそう。ロシアにはデメリットしかないから。「ふるさとを返して」みたいな情緒的な交渉ではどうにもならなそう。最近はロシア人が住んで、ロシア人の故郷にもなりつつある。

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