本のスペック
タイトル | やってはいけない不動産投資 |
著者 | 藤田 知也 |
出版社 | 朝日新聞出版 |
発売日 | 2019/5/14 |
ページ数 | 198 ページ |
本の概要
不動産投資で実際に起きた、不正や詐欺まがいの営業の事例が生々しく書かれている本。
今の日本で不動産投資をやることの難しさの解説もある。
業者や痛い目を見た人へのインタビューがあり、不動産投資の負の側面をリアルに感じられる。
読んだ感想
朝日新聞系の出版のためか、所々に政権や政策の批判があるが、そこを差し引くと、広告や不動産投資を勧める本などでは知ることができないリスクの部分をよく知れる良い本だった。
不動産投資のリスクの部分を非常に強く書いていると感じた。
「不動産投資は危険!」という印象が残る。まぁそうなんだろうけど。
事例を見ると、業者に勧められるがままに始めて痛い目を見ているパターンが多い。
個人的には、本書に書かれた失敗談を糧にして、自分で儲かる物件を精査できる人であれば、チャレンジしてみるのは有りなのかなと思った。
僕は精査できる自信が無いのでチャレンジしないが。
読んで頭に残ったこと
- 空室でも賃料収入を保証すると契約書に書いてあっても、数年で保証額の引き下げが起きたり、まったく保証されなくなる事例がある。
- 業者が不動産購入者の年収や預金通帳の残高を改ざんして銀行に提出し、購入者が返済するには無理がある額を融資してもらう事例が多数あり、あたり前のように行われている。(今はどうか分からないが…)
- 「節税になる」とうたっているが実際は不動産投資の収支がマイナスにならない限り、節税にはならない。
- 「資産になる」と言って田舎の土地を持っている人にアパートを作らせまくって、そのアパートを不動産投資ブームの中で高値で売ることで利益を上げていた。
- 不動産投資を持ち掛けてくる業者の言うことは基本的に信用せず、自分で情報を集めて不動産を買うか否かを決めるべき。自己責任。そこは株式投資と一緒。
- そもそも日本は物件が飽和状態で、物件数に対して人口が少ないし、これから高齢社会で人口はどんどん減っていく。人口が減れば物件の需要も落ちて、不動産収入を得るにはさらに難しくなっていく。
- 少なくとも今は、日本で不動産投資をして成功するのは難しそう。
※スルガ銀行の不正融資問題の話がよく出てくるので、事件概要のリンクを貼っておく。
https://si-hd.org/overview
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