【50歳無職になるまでの軌跡】魂の退社

FIRE

稲垣えみ子さんの「魂の退社」という本を読みました。

著者が50歳で朝日新聞社を退社するまでの経緯と、実際に退社してみてどうだったかが書かれた一冊。

会社員時代から退社までの心の変化も書かれており、非常に面白かったです。
1日で読み切っちゃいました。


会社の出世競争の恐ろしさ

会社の同期が昇進していくのに自分が昇進の候補にも挙がっていないことを知り動揺する話は僕も思うところがあり、想像して恐怖を感じました。

勝てる見込みがほぼない会社の出世競争の中で、上司となった同期を見て「自分は同期よりも劣っている」という劣等感の中、昇進のために実るかも分からない努力を続けていく。

そんなことをこの先何十年も続けていくと考えるとゾっとしました。

お金が無くてもハッピーなライフスタイルを確立する

会社員時代に先輩に放った「人生の折り返し」という言葉から自分の人生の折り返しについて考えるようになり、お金が今のように稼げなくなった時に向けて「お金が無くてもハッピーなライフスタイルの確立」を目指した話には特に共感しました。

稲垣さんは香川県に転勤になり、都会に住んでいた時にしていた「お金を使ってハッピーになれること」が出来なくなったことで、山登りや野菜の直売所などの「お金を使わずにハッピーになれること」を発見しました。

僕も以前はスキューバダイビングなどお金のかかる趣味をしていましたが、会社を辞めて自由に暮らしたいというきっかけから「お金を使わなくても楽しめること」を探し始めて、読書・歩き旅・山登りなど新たな趣味を見つけられました。

世の中にはお金が無くても満足できるものがたくさんあるのに、テレビやネットから「お金がかかるもの」の情報ばかりに入ってくるため、お金がかからないものに気づけなくなっているのだと思います。

入ってくる情報に惑わされずに自分の楽しみを見つけられると良いですね。

日本は会社社会

稲垣さんは会社を退社してから日本という国がいかに会社に属することを前提としたものなのかを痛感している話では、退社したら金銭的・社会的にどんなことが起きるのかが分かり驚きました。

無職だと賃貸契約を結ぶのが難しいとか、クレジットカードを作るのが難しいとかは知っていましたが、退職金の一部は税金で引かれるとかは初耳でした。気をつけねば。

また、無職になったことで現れた困難に対しての考察が非常に面白かったです。

例えばクレジットカードは個人のためのものではなく会社同士の互助システムという話。
会社が社員に定期収入を与えて、その給与をあてにした社員がクレジットカードで給与以上買い物をすることで、クレジットカード会社に恩恵を与える。加えて給与以上の買い物により経済が拡大する。

クレジットカードが会社同士を助けるシステムという発想は全くなかったので、そういう見方もあるのかと勉強になりました。

また、失業保険も再就職の意志を証明しなければもらえないことに対して、結局は会社に属することを勧めるシステムなのかという話。

国は会社に所属させる前提で社会保障システムを考えているという気づきが得られました。

終わりに

テレビでは稲垣さんの節約生活がよくフューチャーされます。
この本ではテレビでは語られないその節約生活・無職生活をするきっかけを知れて、共感できることも多く非常に面白かったです。

人生・幸せに対する自分なりの考えを出すための手助けになるかもしれません。
少なくとも自分は得るものがありました。読んで良かったです。

会社に属さない生き方に興味がある人は、読んで損はないと思います。


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